蹴球天使
屋上の扉を閉める手がいつもより遅い。
みんなはどんな反応をするだろうか…。
やっぱり一度放棄した俺を軽蔑するのか?
そんなことにビビっている俺を情けなくおもう。
シーンと静まった廊下には微かに野球部の掛け声が聞こえる。
野球部はもうすぐ甲子園が始まる頃で、調度今熱気が増している。
徐々にその掛け声が大きく聞こえてくる。
それと同時に俺の心拍数も上がる。
今まで感じた頬の傷の痛みもまるで忘れたようだ。