蹴球天使
「よろしくお願いします」
ギャル風の千奈さんに負けないくらいの笑顔を作った。
「タメ口でいいよ〜、あとあたしのこと、千奈でいいからね。仲良くやろー?」
千奈さん……いや千奈のキラキラした明るい笑顔には勝てそうもないと思った。
「じゃぁ、あたしのこともレイで!」
「よしっ、じゃあ1年の指導行くかー!」
「指導?」
「うん、2、3年は次の大会の準備で忙しいし、監督はその指導で忙しいから1年の指導はうちらがやるのっ」
「へぇ〜」
あたしはこれから始まる学校生活がますます楽しみになった。
“またサッカーに関われる”ってだけであたしは幸せになれるんだ。