るーむしぇあ
トイレの前で携帯に出る。
「…もしもし。」
「あ、出た!よかったー。」
甘く耳に残る懐かしい声。
「美優(ミユウ)?」
「うん。雫ー、元気してたー?」
何ヵ月ぶりかの大好きな人の声。
美優と話をしたのは高校の卒業式が最後。
あたし達は高校時代の親友でいつも行動を共にしていた。
移動教室の時もお昼休みも一緒。
あたしが失恋した時には一緒に泣いてくれたし、新しく好きな人ができたら全力で応援してくれた。
と言っても、人見知りなあたしは告白なんてちゃんとできたことないけど。
美優が笑えばあたしも笑う。
美優が悲しかったらあたしも悲しい。
すごく大切な人。