白いジャージ6 ~先生と愛のキセキ~




「あの頃、何度も泣きそうになったんだぞ、俺」



腕枕をしてくれる先生は、天井を見つめながら静かに呟いた。





「でも繋がってたよね」



「ああ、繋がってた」



「月ばっかり見てたよね」



「そうだな。月を見れば直に会えるような気がして」





目を閉じると浮かんでくる風景。





授業中に、一瞬だけ目が合うと誰にもバレないように眉を下げて微笑んでくれた。




教室でのテスト中、私の横を歩く時だけ少しゆっくりだったよね。



“矢沢”って出席を取る時、いつも深呼吸をしてからだった。





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