しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


もう、焼きそばなんて、作っていられなかった。

視界が歪み過ぎて、何も見えない。


涙に映るのは、壮吾の顔ばかり。


前髪をクシャっと握って、唇を噛みしめる表情。


あんな顔をされたら――…。


私は、クラスの迷惑も考えずにテントを走り出た。


泣いていることを誰にも知られないように、俯きながら。


人ごみに邪魔をされてなかなか前へ進めない。


目の前が見えないから、色んな人の体にぶつかる。


謝りもせずに、ただ、人ごみをかき分けた。



誰もいない、校舎裏。

音楽や賑やかな声が、遠くで聞こえる。


――『フォークダンス、誰とも踊るなよ』

壮吾の表情が。


――『これ、サンキュ』

壮吾の声が。


嫌になるくらい、いつまでも残ってる。


好きだからしょうがないけど。

しょうがないんだけど。


今日、このタイミングで現れる壮吾は、本当にずるい。


心が折れちゃうじゃんか……。




< 319 / 400 >

この作品をシェア

pagetop