しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


私は先輩の横顔を見上げるだけで、やっぱり大事な部分を聞けなかった。


聞いたところで、私に解決できる問題じゃないと思ったから。


レオくんの力になりたいと思うのだけど、私じゃ到底無理なような気がして。


さっきの3人の表情から。

他人の私は、簡単に足を踏み入れちゃいけないような。


先輩も曖昧な言葉を落とすだけで、肝心なことは教えてくれなかった。


切なげな表情だけを私に向け、無理に笑っている。


私もその微笑みに答えることしかできなくて。


『大丈夫ですよ』


なんて、無責任な事は言えなかった。




< 75 / 400 >

この作品をシェア

pagetop