終止符。
…お嬢さま、か。

徳田の一切悪気の無い言葉使いにすら、チクリと心に刺さった。


ドアを叩く音。


「徳田でございます」


言葉通り、徳田は直ぐにやってきた。


「すいません、わざわざ取りに来てもらって」


「いえいえ、よろしいんですよ。それが私の仕事でございますから」


そう言う徳田に、私は洗濯物を渡した。


「…それでは失礼致します」


にこやかな笑顔を残し、ドアノブに手をかける徳田。


「…あのっ」

「はい、なんでしょうか?」


私は徳田を呼び止めた。

< 60 / 116 >

この作品をシェア

pagetop