終止符。
もう、なるようにしかならない。

自分に言い聞かせる。

ここで過ごす最後の日、私は心残りを無くす為に徳田に会いに行った。


「あの…徳田さん?」


彼女は和室で花を活けていた。桔梗とカスミソウを、竹の花瓶にバランス良く飾り付けている所だった。


「はい、なんでしょうか?」


作業を止めて、そのにこやかで優しい顔をこちらに向けてくれた。


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