Last Sound
「えー…では、次は学校祭についてのお知らせです」
…あっつー…
手で頑張って仰いでみるが、
それで来る風なんて知れていて。
全身の毛穴から汗が噴き出ているんじゃないか。
そんな気がしてならない。
「みなさんに提案があります」
丸山が前でベラベラと喋っている。
我らが軽音部の敵とあって、
無意識に丸山を睨む俺。
「波瑠斗、怖すぎ」
後ろを振り返った拓馬に笑われる。
でもホント、アイツのこと嫌いなんだって、俺。
「…実はこの間新設された軽音部からこんな提案がありました」
………えっ!?
え?え?え?
今…丸山、なんつった…?
「なあ、なあ!拓馬。
アイツ…なんて?」
「はあ?聞いてなかったのかよ?
軽音部からこんな提案がありました、って」
…やっぱり?
そう、言ったよな。
「軽音部は学校祭でのステージで演奏したい、とのことでした。
そこで、今からアンケートを取りたいと思います」