Last Sound




で、出たあああぁぁ!

と、声にならない声で叫ぶ。



「あ、あのっ!

エトー…あ、いや工藤先生の元カノさんですか?」


俺の声が聞こえたのか、

エトーが顔を上げて俺たちを見ていた。



『え?あ、うん。

そうだけど…あなたはユウの教え子の子?』


エトーの元カノさんの声は、落ち着いていて気品があって。

大人の女の人、って感じで。

高校生の俺たちには新鮮だった。



「そうです。

渡辺波瑠斗って言います」


『ああ、波瑠斗くんね。

ユウからよく話は聞いてるよ』


エトー…!

俺を話のネタにして彼女とラブラブしていたのか!

ちくしょう!許せない!


…って、そうじゃなくて。




「つかぬこと、伺いますが」


『ん?』


「どうして、婚約までしたのに別れたんですか?」










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