TREASURE ~たったひとつの宝もの~
「何、見てんの??」

下沢・・・

「別に。」

俺はこいつが苦手。

ケバいし、香水くさいし。

なにより、自分が美人だってことを

あからさまにアピールしてくるところ。

そこが一番嫌いだ。

「絶対、何か見てたもん!!」

「関係ねぇじゃん。」

俺に絡んでくるなよ。

うざい・・・

「一哉ってさあ?

田上さんにはよく話しかけるよねー??

幼なじみってそんなにいいもん??

ちょっと皆より長く一緒にいるだけじゃん。

それに、一緒にいた時間なんて関係ないし♡

あとさー・・・あの子、一哉は私のってアピってくるから嫌いー!!

瞳のがかわいくない??」


わけわからん。こいつ、大丈夫か??

―キーンコーンカーンコーン・・・

下沢がうざくて席を立つ。

「え?一哉ぁ!!もっとお話ししようよー!!」

なんなんだよ。

なんでこんなに俺は授業中困ってるんだ?

普通なら、真剣に教科書読んだり、話聞いたり、ノート写したり

集中できるだろうよ!!

・・・誰か、俺と席を変わってくれる人はいませんか??

ぁ、ちーの近くの人限定で。
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