シャーペンと君とあたし



うそっ!俊が支えてくれたの?


「何やってんだよ、お前は!」

「あ、ごめん。」


俊から体を放して振り向くと
はじめてみる俊の表情。


焦ったような、不安そうな、そんな顔。


え?もしかして心配してくれた?


「俊っ!ありがとっ!」


くすぐったい気持ちになって
あたしの顔から笑顔がこぼれる。



「…………戻るぞ。」


顔を背けてスタスタと歩いていく俊。



えっ?

待ってくれないの?


「ちょっ…ちょっと待ってよ!」


こんなとこで1人にしないでってば!


慌てて俊の後を追いかける。


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