シャーペンと君とあたし



「は?どこがよし、だよ。」


俊の言ってること?


聞こえてるけどそんなの無視っ!

シカトだ!シ・カ・ト!





不安定な踏み台の上に足を乗せ

背伸びをして段ボールを力強く引っ張る。



次の瞬間、足下がグラついて

視界が大きく揺れる。




やばっ!倒れる─…っ!




─…目に力を入れ、全身を強張らせる。



それと同時に

トンッと背中に何かがぶつかる。




あ…れ?痛くない…

なんでぇ?



おそるおそる、目を開けると

俊の腕の中にいるあたし。


.
< 114 / 309 >

この作品をシェア

pagetop