シャーペンと君とあたし



俊に視線を戻すと
自転車に股がり帰ろうとしてる。


…えっ?!

「ちょっと香水っ!」

慌てて小瓶を差し出す。


「それ、お前にあげたんだけど。」

「うそっ!いーのっ?」


思わず声も表情もパアッと明るくなる。


「こんなんで嘘つかねーから。」


すっごい嬉しいんだけど〜

「ありがとっ!大事にするねっ!」


あたしがそう言うと
俊はフッと優しい表情になって

そのまま自転車に乗って去って行く。


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