シャーペンと君とあたし
表情も変えずにサラッと悪態ついてくれちゃってさ!!
毒舌男だ毒舌男…!!
それでも、おもいっきり蹴飛ばしたらまた担任に怒られると思って、手加減せざるを得なかった。
まだまだ消化仕切れていないキモチをぶつけるように、ありったけの力を込めて彼を睨みつけた。
─…のに、
「おい宏人、こいつが貸してくれるって、シャーペン」
彼の視線はサラリとあたしを交わし、オレンジ頭に向けられてしまった。
唯一あたしを向いていたのは
彼の細く繊細な指、それだけ。