シャーペンと君とあたし



「なっ!ガ、ガキぃ?!」


思わず声を荒げた。


まだね、バカとか言われるのなら我慢はできるの。悔しいけど若干事実だし。


でも、でも、ガキって言われるのだけにはかなーり抵抗がある!!


ムカつきすぎて、失神しそうなほど。






「鈴、あんた本当にバカ。」


「─…あ。」



だけど、蒼に声をかけられたことにより、とりあえず今の状況を把握して


(本当にバカだ、あたし。)


改めて自分はバカだと。バカすぎるにも程があると、身をもって痛感した。



─…そして、もう完全に手遅れ。





HR中に立ち上がってる人、約1名。






多分イスを引いた時に結構な音も響いたんだろう。教室中の視線を独り占めにしているのは、もちろんあたしで。



そんなあたしの真っ正面には



「新学期そうそう良い度胸してんなぁ?」



─…スーツに身を包んだ、黒い悪魔


いや、正真正銘あたしの担任大先生さまが、いらっしゃいました。




…満面の笑みが怖すぎるんですけど。




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