シャーペンと君とあたし
「5個はさすがに持ちすぎじゃね?」
「だって終わらなさそうじゃーん!!」
「結局すぐバテてんじゃん。」
「うっ…」
た、たしかに全くもってその通りでございます。
図星をつかれて言葉に詰まるあたしを、孝太は面白そうに笑ってる。
そんな彼の笑顔を見て、
(まぁ孝太が笑ってんならいーけどさ)
あたしの顔にも、浮かぶ微笑み。
和やかな空気が漂う中、体育館倉庫までの道のりを、ふたりで歩いた。
だけど、
「俊が気付いてくれてよかったな。」
─…止まってしまった
「えっ?!」
意外すぎる事実に。信じられない事実に。
(神田俊が、気付いてくれた、の…??)
前へと進んでいく孝太の背中を見たまま、しばらく動けなかった。