シャーペンと君とあたし



やっぱり、転んだこと気にしてる?


「はいはい、鈴乃ですよーっ!
おじゃまします!」


孝太の隣に座る。


元気付けてあげたくて
無駄にハイテンションなあたし。

ちょっと空回ってない?





「さっきは、わりぃな。」


眉を下げて笑う孝太。



孝太は悪くないのに…

謝らなきゃいけないのはあたしだよ?




「孝太のせいじゃないよ。

あたしが叫ばなかったら
孝太は、転んでなかったよ。


……ごめんね。」



転ばなかったら
攻められることもなかった。

孝太は苦しまないで済んだのに…




「ふっ」


.
< 95 / 309 >

この作品をシェア

pagetop