好きだと言いたい
「うわ〜結構人多いね〜」
ライブ会場に着くと結構な人で溢れかえっていた。
「彩花さんハグれないでね」
「何それ!?私は子供じゃないんだけど〜!」
「はいはい」
ブゥと口を尖らせる彩花さんを目を細めて見る。
「弘樹よりも3つも年上なんだからぁ」
「はいはい分かってますよ」
言われなくたって知ってる。
俺は17歳の高校生で、兄貴には到底敵わないガキだって事も。
「そろそろ始まるよ」
「あ、待ってよ弘樹〜」
でも今日くらいはほんの少しカッコつけても許してよ。