偽りなく言葉に




「…部屋に入って、ソファに座ってなさいね」



そう言って私は玄関からキッチンに行ってコーヒーを入れる


インスタントでいいわよね?
まぁ突然だし、しょうがないし



「はい、コーヒー。

ブラックでも平気でしょう?」



そういいながらテーブルに置くと
男はコーヒーを一口呑み、隣に腰かけた私を押し倒した



「真綺」



初めてちゃんと呼ばれた名前
真面目な顔をした男は低い声で私の名前を囁く



「先輩を呼び捨てなんて礼儀がなっていないんじゃないの?」


「真綺先輩って俺の名前をよんだ事ありませんよね」


「…そうかしら?」



なんて自分でも分かっている

だって仕事でならまだしも、それ以外での関わりなんて必要ないでしょう?



「キス、していいですか?」


「駄目よ」


「それは、俺の事を好きになっちゃうからですよね?」


「有り得ないわ」


「だって真綺先輩、俺の事ほんとうは好きでしょう?」




< 22 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop