【完】甘い恋愛授業
俯かせていた顔をふと上げて、独り言のように私に言う。
「ゆきを泣かせて、困らせて、挙げ句の果てには自分勝手にゆきから逃げて……」
「……歩くん」
「素直に自分の気持ちを伝えなきゃいけなかったのに、そんな自分の気持ちからも逃げて」
「やっぱり最低だ」と言って、少し悲しそうに歩くんは笑った。
自分の気持ちからも逃げて……なんて、そんな、そんなコト……
「……そんなコト、ない」
「ゆき?」
「そんなコトないよ」