【完】甘い恋愛授業



そんな山崎は、ふと、長瀬が怪我をしていることに気づいたらしく……


「腕、血が……」


顔を青ざめさせて、バタバタと自分の鞄から一枚のハンカチを取り出した。

そのハンカチを濡らし、長瀬に渡す。


すると……


「あれ?」


突然、長瀬が声をあげた。


「このハンカチ、前に俺が……ああ!山崎さん、前に一度会ったことあるよね!?」


長瀬の言葉からして、長瀬が山崎のハンカチを拾ったのは本当だったのかと思う。


そんな長瀬に山崎は、また顔を真っ赤にした。


そのまま長瀬は「ありがとう」と言って山崎にハンカチを返し、科学室を出て行った。


すると……


「……時東くん」



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