借金とりとおにごっこ!?

菜乃香の動きが止まった

まるでこの部屋の全ての時間が
止まったかのように静かになった


沈黙がながれてもう10分は経っただろう

菜乃香はなにかをしゃべろうと
少しだけ口を開いて、また閉じた


悩むって事は.....
そっか...
まぁ、答えは最初から分かっていた

でも、少しだけ期待したかったんだ
もしかしたら
って思ってる自分がいた


菜乃香が
俺のことを好きなはずないのに...



「ごめん、困らせたな。
もう気にしなくていーから。
.....肉じゃが食うか」


菜乃香は一瞬目を伏せて
少しだけ口を開いた

なにか言おうとその口は動くが
声になって俺の耳には届かなかった


「うん、肉じゃが...
食べようっか.....」


すこしして菜乃香が
引きつった笑顔で言った



今日の肉じゃがは最高にまずく感じる
ほんとはすっげー美味いはずなのに

なんか、食ってる気がしねぇ

こんなことになるなら
言わなければ良かったのかもしれない

もしかしたら、もう前の関係には
戻れないのかもしれない


でも、あのままずるずる引き延ばすより
ぶっちゃけた方が気は楽になっただろう

俺は明日フランスに行く

明日が菜乃香と過ごす最後の日


最後くらい、笑って別れたかったな...





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