借金とりとおにごっこ!?


「はい、どうぞ」


称磨君は私が差し出したお水を
無言で一気に飲み干した

よっぽど喉が渇いてたいいだろうなー


「緋那も。
はい、どーぞ」

「ありがと、菜乃香」


それに対して緋那は
ちゃんとお礼を言って飲み方もお上品

うんうん、流石だなー


「おかわりっ!」

「自分で取りに行け」

「えー、しゃーない!行くか」


1杯だけでは足りなかったみたいで
称磨君が危ない足取りで
ふらふらと冷水器に向かって行った

だ、大丈夫なのかな?

あんなになるなんて、
どれだけ走ったんだろ??


「ついでに皆の分持ってきたよー」

「称磨君、ありが.........え?」


お礼を言おうとして
思わず止まってしまった

うん、確かに皆の分はあるけど.....


「なんで10個も持ってきてんのよ」

「え?だから人数分」


あきらかに数が合わない

誰!?称磨君には誰が見えてるの!?


「どこに10人もいるのよ?」

「ほら、これが菜乃香ちゃんのでしょ。
で、こっちが緋那の。
これが雅ちゃんので、これが夕矢の。
んで、これが俺のでこれも俺も。
あとこれとこれとこれとこれも俺の」




「今すぐ返してこい」












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