紳士的なLady
たった5メートル程の距離を、私を抱えて歩く。
保健室の真っ白なベッドの上に私を下ろすと、肩をぐるぐると回す。
「ごめん。重たかったね」
私が珍しく、申し訳無さそうに言ったからびっくりしたのか、切れ長の目が、少し大きくなる。
「まあな」
ここは、嘘でも「大丈夫」とか、気の利いた事を言うべきだと思う。
でも、相手が架月だから、仕方が無い。
「どこ打った?」
肩を回しながら、私に聞いてくる。
「頭に肩、背中、腰にそれから肘と膝に……。あ、足首捻った」
「重症だな」
呆れたように溜め息を吐きながら、救急箱から湿布と包帯を取り出す。