紳士的なLady



「……満原の好きなところ?そうだな……。ああ、面白い所とか」




止めて架月。

お願いだから止めて。




「ほらあー!1個しか挙げれないじゃん!」



鈴音もいいから。

張り合うのを止めようよ、2人共。



「他にはドジ踏む所とか、強がりな所とか。それと……」

「いいから架月もう黙って!」




私が割り込んで、強制的に終了。





さっき告白されて、あんな甘いムードに浸っていたのが嘘みたいだ。





恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!






「もういい。私帰るから」




鈴音が落とした制服を拾って、保健室を出ようとしたけれども。





「剣ちゃん、まだ手当てしてもらってないでしょ?まだ帰っちゃダメだからね」



その言葉の裏には、『さっき起きた事を教えろよ』の意味も含まれているに違いない。





……早く家に帰りたい。

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