紳士的なLady
「じゃあ、架月くんに小野寺くん。剣ちゃんの手当てするから外出てて」
千波の声で、2人がピクリと動く。
「早川さん!俺ら、剣ちゃんのこと心配だし……だから……」
「壮貴ー?剣の着替え、そんなに見たいの?」
「着替え?!ならすぐに出て行きます!」
小野寺は、架月の手を引っ張って、保健室のドアの向こうまで去っていく。
ピシャリとドアを閉めた千波は、私に笑顔を向けた。
「今から何が起きたのか、ぜーんぶ話してもらうからね。剣ちゃん」
千波の笑顔はそれはそれは真っ黒で。
私の顔には漫画のような縦線が刻み込まれた。
*階段スケルツォ*