紳士的なLady



やけに疲れた。




パイプ椅子を直した後は、解散。




さっさと帰ろうとした俺だが、何故かあの時、早咲きの桜に目が留まった。





ひらひらと舞う花びらが、やけに綺麗に見えて。





昇降口へと向かう足を、教室の方へと変えさせる。





何かに引き付けられたかのように。


ゆっくりと足を運びながら、階段を上っていった。



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