紳士的なLady
黒の鞄を持ちながら、満原は上をずっと見ている。
花びらでも見てるのだろうか。
窓から見ている俺に、満原が気付かないように、窓を少しだけ閉めた。
風に吹かれて、花びらが散っていく。
満原は何を思ったのか、花びらが吹かれていく方向へ、ゆっくりと歩いていく。
そして、手で花びらを掴む。
その動作を、俺が見ていたあの5分間、何度も何度も繰り返していた。
何考えてるんだよ、あいつ。
馬鹿じゃねーの。
飽きるだろ。