紳士的なLady





自分の足元しか見ていなかった私は、頭を上げた瞬間、自分が愚かだった事に気づいた。











「何でお前がいる訳?」








…最悪だ………。



私の目の前には、声の主である、架月玲佳がいた。





架月玲佳。



彼は、私が苦手としている分類に入る男だ。

容姿だけの人間。

そう思うのは、学校中捜しても、多分私だけだろう。





私が彼を苦手としている理由の一つは、雰囲気だ。


確かに、容姿は素晴らしい。
女の私が彼を羨むくらいなのだから。



だけど、その雰囲気が苦手だ。


人を見下していて、冷たい感じ。

それと




……何だか、怖いのだ。





「満原」


もう一度、彼に名前を呼ばれてハッとする。




「こんな時間に、何でお前が居るんだよ」



彼は不機嫌そうに、そして私の存在を消してやりたいような、そんな目で私を見てきた。

何、この人。


< 17 / 312 >

この作品をシェア

pagetop