紳士的なLady
体育館いっぱいに、女子の甲高い声が響き渡る。
ねぇ、今の状況を誰か教えてよ。
「剣!今の聞いた?!ねぇ聞いた?榊が剣の事好きなんだって!!」
「剣ちゃん!!」
鈴音と千波の声が聴こえるも、何も考えられない。
ざわざわと、体育館中が揺れる、揺れる。
何だろう。
重たくて、気持ち悪い。
「満原!俺はお前の事が……」
マイクで何度も私の名前を呼ぶ榊。
何も考えたくない。
何も考えられない。
ああ。
私、
また混乱してしまいそうだ。