紳士的なLady
急に後ろから声が聴こえたと思ったら。
いきなり、「架月玲佳」と呼ばれ。
何するつもりなんだ。
怪訝そうな顔を浮かべつつも、榊に近づいてみる。
「何か用でもあるのか」
「お前、俺の告白聞いただろ」
あの場で聞かなかった奴なんて、1人も居ないと思う。
「ああ」
「俺は、満原が好きだ。だが全っ然相手にされない」
俺が満原でも、お前なんかを相手にしたくないけどな。
「それでも俺は、満原の近くに居たいんだ」
奴の、ストレートすぎる言葉。
その言葉が、妙に重たくて。
馬鹿らしい喩えだが、その言葉が重く、落ちていく。