紳士的なLady
やはり、7時間目の終わり頃だからか、人が1人も居ない。
皆、体育館から教室へ、真っ直ぐ戻ったのだろう。
シンとした廊下を、1人歩く。
進路指導室まで来ると、人影のようなものが廊下に映っている。
俺と同じような事を考えてる奴も居るんだな。
人影が誰なのか気になりつつも、進路指導室を通り過ぎる。
「架月玲佳っ!」
は?
フルネームで呼ばれ、ピタリと足を止めた。
一瞬、影が喋ったのかと思った。
そんな馬鹿な事があるはずが無く、
喋ったのは、さっき公開告白をした奴だった。