紳士的なLady
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「剣!!」
翌朝、学校に来てみると、いきなり鈴音に捕まった。
毎度の事だから、挨拶程度に済ませておく、
つもりが。
「昨日の事、訊いた?!千波のこと!」
最初の言葉が、『昨日』、そして『千波』。
嫌な予感しか、しなかった。
『アンタの周りの人間は、どうなるんだろうね?』
不敵に囁かれた杉村さんの言葉が、ぐるぐると駆け巡り、耳をつんざく。
「千波が剣に……、ってちょっと?!剣!!」
鈴音の言葉を何も聞かずに、教室へ走って向かう。
どうしよう。
本当に?
私のせいだ……。
教室に着くと、クラスの女子全員が、千波の机を囲んでいた。
肩を優しく撫でている人、
「怖い」と言っている人、
「許せない」と怒っている人。
「千波……?」
恐る恐る声を掛けてみる。
私の言葉が聞こえたのか、ピクリと肩を震わせる。
「つ、るぎ……ちゃ……」
向けられた顔の辛さに、胸が締め付けられる。
こんな風にさせたのは、私だ。
いつもの千波の笑顔が。
いつもの千波の得意顔が。
泣き顔で、壊れていた。