紳士的なLady



しばらく黙っていると、急に身体がふわりと軽く浮いた気がした。


それは一瞬で、ボスッと何かに鼻をぶつける。




「……っ!」



声にならない呻き声を上げながら、正面を見て驚く私。




薄っすらと汚れたシャツ。


小さな絆創膏が貼ってある両肘。





「もう、何も喋んな」





それだけが聴こえて。





まるで昔に戻ったみたいに、背負われて、







裸足の両足が、ゆらりゆらりと揺れ始めた。



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