紳士的なLady
顔をしかめたまま、私を見る架月。
「まだ帰ってなかったんだ」
心配をかけたくないからか、妙にカラカラと、元気なフリをする私。
「お前まだ病院行ってねーだろ」
「あー……。何か皆忙しそうだしね。それに、結構痛みが引いたからもう大丈……痛っ!!」
突然右手首を掴まれ、思わず漏れてしまった“痛い”。
「全然引いてねーじゃん」
「架月が急に掴むからでしょ?!普通にしてても痛いんだから!」
ヤバイ。
大声出すと痛くなる。
本当ならもっと言ってやりたいところだけど、今は止めておこう。
「満原」
ポツリと聴こえた声。
「何」
痛まないようにと、なるべく小さな声を出す私。
「今から病院、連れて行ってもいいか?」
「何で架月が聞くの」
「お前が痛そうにしてるから」
「ふーん」
素っ気無くて、可愛げのない言葉しか返せない。
もっと、素直に言えたら良いのに。
可愛くない。