紳士的なLady
「何となくだけど、どっかで助けに来てくれるんじゃないかって思ってたの。
……漫画みたいな展開だけどね。カッコよく、助けに来てくれるような気がしてたの」
「馬鹿みたいでしょ?」と、自分への嘲笑も交えて。
「そしたら、架月、本当に助けに来てくれるでしょ?私もうびっくりしちゃってさ」
つらつらと、どうでもいいような事ばっかり。
大切なコトは、何も言わないまま。
架月も、黙ったまま。
こういう時だけ、忠実に言う事を聞く。
本当に、ムカつく。
私だけ、こんなになっちゃって。
ムカつく。
ムカつく。
すっごく、ムカつくのに――。
「好き……ッ」