紳士的なLady
後ろからで、架月の後頭部しか見えなかったけれど、それはもうふてぶてしく、慇懃無礼に言い放ったのだ。
後ろにいる私にもはっきり聴こえるような、冷たい声で。
「架月……!貴様いい加減に……」
顔を真っ赤にして怒った教員が、勢い良く拳を振り上げた。
目を見開いた状態の私は、何も言えず、ただ口をポカンと開けていた。
女子の何人かは、声にならない悲鳴を上げ、口元を手で押さえている。
悪びれていない様子の架月は、ただただ教員を見ている。
拳がブンと、振り下ろされた瞬間だった。
「センセー。早く授業して下さーい」