オモイビト


「ケータイ?」


はいと手のひらにケータイを乗せて王子に差し出した。

いや、そこはあたしに差し出してくださいな。


すると王子はそれを取って、あたしに顔を向けた。


「なにするんです?」

「え?あ……赤外線……で、アド交換」


……え、え?

王子がやるの?

バカのケータイで?


てか人のケータイ勝手に操作していいの!?

想はそれに対してなにもつっこまないの!?


「出して」

「あ、はい」


あっさり通信完了。


「機械、疎いですから」

「え?」

「コイツ」


どうやら想は機械オンチだから、代わりに王子が赤外線してくれたらしい。
< 15 / 200 >

この作品をシェア

pagetop