成熟と化して
「あの…」
「あん!!?」
後ろを振り返ると、車椅子に乗った真菜とそれを押す真菜の母の姿があった。
「あなたは…佐藤さん?」
なぜここに?と言った顔で佐藤を見つめていた。
「あ…アハハ。偶然通りかかったら…先輩がいて、話してたんですよ」
我ながら、下手な嘘だと思った佐藤。
「そうなんですか」
真菜はすぐに信じたが。
「じゃあ、俺はこれで」
そそくさと、出口の方に行く佐藤。
「じゃあ紙田くん。よろしくね」
そう言って真菜母は、アンドロイド紙田と真菜を残し、家に帰っていく
遠くから、二人の姿を見つめる佐藤。
―ヤバいよ。この状況。
二人は喋っていなく、辺りは静かだった
しかし、とうとう真菜がアンドロイド紙田に話しかけた
「紙田さん。今日はありがとうございます」
「イイエ。キニスルナ」
―もうおしまいだ!!
と、一人焦る佐藤。
「どこいきます?」
―あれ?
「トリアエズ、ウミにイコウ」
「わかりました」
そう言って、アンドロイド紙田は真菜が乗ってる車椅子を押し、公園を出ていった
―なんか…普通に会話しちゃってるし
「な、上手くいったろ?」
何事もなかったかのように、佐藤の前に紙田が現れる
「いや~、緊張しすぎで腹壊して、大変だったよー」
ナハハと呆気にとられている佐藤の隣で笑う。
少し、佐藤の内心では怒りが込み上げてくる
「あの、先輩」
「ん?」
「俺は先輩がいつにもなく真剣だったから、私情でも協力したんですよ?」
「うん」
「なのに…なのに…」
息を大きく吸い込み
「アンドロイドとは、どういう了見だ!!!!コノヤロー!!!」
佐藤の強力なチョップが紙田の頭にクリーンヒットする。
「いってー!!」
紙田は頭を抑え、顔をしかめる
「…ま、これだけで勘弁しといてやりますよ。真菜さんたち、追いかけますよ」
と、駆け足で真菜たちが行った方向にいく佐藤。
そんな後ろ姿を見る紙田は少し、佐藤に恐怖心をもった。