春も嵐も
「教師になるためのことだと考えれば、大変なもんじゃないよ」

トーゴちゃんは、高校の先生になるために大学に通っている。

つきあっている彼女が高校の先生だからだ。

「それで、また藤見が出入りしてるの?」

「あ、うん」

トーゴちゃんは迷惑だとでも言うようにため息をついた。

「嵐さんは藤見にどう対応してるの?」

「はた迷惑って言う顔をしてる」

「だろうなあ。

しかし、おかしな話だよなあ」

そう言ったトーゴちゃんに、
「何が?」

あたしは訳がわからなくて聞き返した。

何がおかしいのだろう?
< 149 / 211 >

この作品をシェア

pagetop