春も嵐も
翌日のこと。

「ハーイ♪」

のん気な顔で、藤見椎葉が手を振ってやってきた。

「今日も暑いわね。

いつまで続くのかしらねえ、この暑さ」

「――あのさ」

俺は言った。

「んっ、どうしたの?」

相変わらずののん気な顔である。

あんたの策略に、いつまでも気づいてないと思ってんじゃねーぞ。

「いつまで演じるつもりなの?」

俺の問いに、藤見椎葉は驚いた顔をした。

「…よく、わからないんだけど?」

藤見椎葉は訳がわからないと言う顔をしていた。
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