春も嵐も
「僕には、父親がいます。

『居酒屋ますだ』の店長の増田寛さんです。

彼は本当に…本当にどうしようもないくらいの頑固な人ですが、僕はそんな彼を心の底から父親として慕っています。

今の僕には、もうそれは必要ありませんのでお返しします。

母親も、あなたのそばにいたいと思うので。

けど、その代わり」

「…その代わり?」

「商店街の売却の話は、なしにしてください。

それから今後一切、もう2度と商店街に関わらないでください」

言い終えると、俺は頭を下げた。
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