春も嵐も
「あんたたちのおかげで私は杉里さんと一緒にいられるんだから、お礼くらいさせて欲しいわ」

美波さん…。

何だかんだ言っても、美波さんはちゃんと俺たちのことを考えてくれてるんだな。

ちょっと、照れくさいような気もするが。

「あんたたちが結婚して幸せになってくれるのが、私の願いよ」

美波さんが言った。

俺たちも願われたもんだな。

願われたからと言って、特に嫌な気はしないけど。

「ありがとう、美波」

照れくさそうに礼を言った弥生に、
「長い間つきあってる幼なじみなら、当然のことでしょ」

美波さんが言い返した。
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