春も嵐も
ここまで寒いと、物干し場にいるのは無理がある。

俺たちは弥生の部屋にいた。

「どうしたもんじゃろか…」

俺は悩んでいた。

「結婚願望ないの?」

弥生が悩んでいる俺に視線を向けてきた。

「そう言う訳じゃねーよ」

結婚願望ならある方だ。

まだ20歳をやっと過ぎた大人だけど、そう思ってる。

弥生と結婚して、一緒に居酒屋をやって、時々ケンカしたり…でも、何やかんや言っても笑ってる。

それが俺の未来予想図…と、胸を張って言いたいところだ。

「親父がどうするかなんだよ」

俺は言った。
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