春も嵐も
そして、親父も。

こんなにも大勢の人たちに囲まれて、俺は祝福されている。

隣には、俺の妻となった弥生がいる。

これから先、何があるかはわからない。

けど、何があってもそれを乗り越えて行くつもりだ。

例え大きな嵐がきても、みんながいれば乗り越えられる。

大きな声で胸張って言える、確かなことだ。

「はい、撮りますよー」

写真屋のおっちゃんがカメラのレンズを覗き込んだ。

「ちょっと寛さん、表情が固い。

もっと笑って!」

あちこちから聞こえる笑い声に、親父は照れたように笑った。

「じゃ、行きますよ!

はい、チーズ!」

カシャッとシャッター音が響いた。

もちろん、俺たちは笑顔を浮かべていた。

☆★END☆★
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