強がりも全部受け止めて
『少し話をする時間はある?』




「ーー私には話すことなんて無いわ」




何を話したいと言うのよ。




円満に別れたわけではないのに普通に声をかけて来るなんて、信じられない。




私が何も感じないとでも思ってるのかしら。




『由梨さん、彼と話しなさい。僕はそこで待っているから』




突然横から相田さんが彼が座っていたベンチを指差しながら言った。




命令口調で言われて、それに驚き声も出ない。




どうして?私はもう、彼とは…




『溜め込まずに言いたいことを言って、ちゃんと終わらせて僕のところへおいで?』




そう言って相田さんはベンチへと歩いて行ってしまった。




< 64 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop