君の面影
次の日___
「悠一〜!! お友達が来たわよ」
「うぃー……」
「よっ! 悠おひさ〜」
「ひさ〜……」
「って、来たのに起きねぇのかよ!!」
「うるせぇなぁ……俺は疲れが溜まってんだよ」
「まぁお前は忙しい御身分だもんなぁ〜」
こいつは俺の幼なじみ
木田 竜二(きだりゅうじ)
「そのてん幹部でありながら暇な位置を確保した俺様はなんて賢いこと☆ ま、君はそこまで頭が回らなかったみたいだけ……」
「あ〜…なんだか寝起きにちょうどいいサンドバッグが目の前にあるなぁ〜〜」
「わああぁぁあ!! もう何も言わねぇから!」
はっきり言って一言多い
それさえなければいいやつだ
「で、何しに来たんだよ……俺は今日お前を呼んだ覚えはないぞ」
「そんなこと言うなよ〜☆」
「うぜぇ」
「あちゃ〜…それちょっとへこむなぁ。せっかくヤバネタ持ってきてやったのに」
ピクッ
「ヤバネタ? まさか他集派のやつらか?」
「さっすが♪ 察しがいいねぇ」
「いいからさっさと教えろ!!」
「たく……」
竜二はポケットから煙草を取り出した
ちなみにさっきから言ってる幹部やら他集派とかの言葉は俗に言う業界用語だ
そしてその業界とは___
「ふぅ……女豹の弓(めひょうのきゅう)って覚えてるか?」
「あぁ……」
忘れる事なんて出来るわけがねぇ
女豹の弓、ここら一帯を縄張りにしていた奴の字(あざな)