桜の見える丘(仮)

「「神谷くぅーん!がんばってぇ!」」


違うクラスの女の子達からの応援の声。


集中しているのか、その声に反応しない神谷。


「なぁんだ。気づいてくれないや…。」


はぁと落ち込む女の子たち。


そして…その子達から強い視線を感じる。


「ねぇ…あの子でしょ?公開告白したのって。」


「そうそう。みんなの前で好きだって言ったらしいー。んで、ふられたんだってー。笑っちゃうわ!」


「ほんと、おもしろぉい!目立ちたかっただけなんじゃない?ってか、公開告白しといてふられるとかかわいそぉー。でもいい気味。」


「ブスのくせに。神谷君に告白しようとするのが第一間違ってるのよ。ねぇー!」


ひそひそと話す声がこっちまでまるぎこえ。


ほんと…馬鹿だなぁ。私…。


女の子達の笑い声が…聞きたくもないのに耳に入ってくる。


私は耳をふさいでその場にしゃがむ。


そんな私を心配してか葵が耳元で、


「美姫…大丈夫?」


と、私に言ってからその女の人達をギッっと睨む。


そして…。
< 123 / 301 >

この作品をシェア

pagetop