桜の見える丘(仮)

「もう…あれ以上恥ずかしいことなんてない!!大丈夫…。私…お疲れ様って言ってくる!」


葵に背中を押された。


「おぉー!言っといでぇ!上目づかいでメロメロにしてやんな!」


「ちょっ!何言ってんのぉ!!そんなのしないもん!いってきます!」


種目を終わった選手たちが、ぞろぞろと退場門に集まってきた。


「ここから…探さなきゃなのか…;」


大勢の人が集まる退場門。


どうしようぅぅ…見つけらんな…


「いた…」


こんなに大勢の中から…すぐ見つけれた…。


あ…女の子に引きとめられてる。


うわぁ…嫌な顔してるわぁ…プッ…わかりやすっ!


どんだけ女の子に止められるの嫌なんだよ―!顔にでてるってーの!


あれ…私、こんなとこで笑ってていいのか…?


行かなくていいのか!


……………。


でも…行きにくいな…。


あぁやって嫌な顔してるの見るのヤダし…。


「やめとこっ…」


「なにをやめんだよ。」


私の頭の上に大きな手のひら…その手の上に顎を置いて…。


私を見下げている。

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